かつてのアメリカ 2012 12 18

 当面は、日米同盟の強化で問題ありませんが、
将来的には、「自分の国は自分で守る」という方向にすべきです。
 「軍事拡張が続く中国」と「軍縮が続くアメリカ」
アメリカの軍縮は、財政問題が原因です。
これでは、10年以内に力関係が逆転します。
 だからこそ、日本の安全保障は、どうすべきか、
今のうちから考えておくべきです。
 「日本は軽武装で商売に専念し、
安全保障はアメリカに丸投げ」という時代は、終わるのです。
 やがて、アメリカは、地域大国になっていくでしょう。
超大国だったアメリカの姿は、歴史の教科書で学ぶことになるでしょう。
 今でも、アメリカには、そういう兆候があるのです。
たとえば、アメリカは、尖閣諸島については、
「日米安全保障条約の対象の範囲」と明言していますが、
本音は、日本と中国の領土紛争に巻き込まれるが、
「不安で不安でたまらない」という心境でしょう。
 これは、「かつてのアメリカ」では考えられないことですが、
「今のアメリカ」は、不安で夜も眠れないという心境に近いでしょう。
 つまり、尖閣諸島に関しては、日米安全保障条約が機能しないでしょう。
これは、日米安全保障条約の崩壊の原因にもなる上に、
イスラム諸国が中東で勢いづく原因にもなるでしょう。
こうして、アメリカは、地域大国になっていくでしょう。
 10年以内に、アメリカと中国の力関係が逆転すると書きましたが、
そうだとすれば、アメリカは、逆転される前に、
つまり、10年以内に決着をつける必要があります。
それは、軍事力を使って、あるいは為替の問題で、
中国を封じ込める必要があるのです。
 しかしながら、今のアメリカを見ていると、
「どうしよう。どうしよう」と悩んでいるうちに、10年が経過するでしょう。
 これからの10年、厳しい国際情勢が予想されますが、
最大の問題は、日本では、政治家と国民の多くが、
安全保障については、いまだに終戦直後のままということです。

アメリカの弱気 2012 12 16
 12月12日、北朝鮮による長距離ミサイル技術を使った、
人工衛星の打ち上げ成功と、
12月13日、中国当局の飛行機が、
初めて尖閣諸島沖の領空を侵犯したことをどう見るか。
この二つの出来事は、どう関連しているのか。
 これについて、田中 宇(たなか さかい)氏は、
メールマガジンで、このように分析しています。
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
日本は、安全保障の唯一の後ろ盾である米国に頼れない感じが強まっている。
 その状況を見越したかのように、
北朝鮮のロケット発射の翌日の12月13日、
中国当局のプロペラ機が初めて尖閣諸島の領空内に侵入した」
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
米国が、アジアでの中国の台頭に対して、
口だけしか動かせない今の状況の中、
中国が、尖閣を日本から奪うという象徴的な挙に出ようとしていても不思議でない」
(以上、引用)
 確かに、全盛期のアメリカからすると考えられないほど、
今のアメリカは、弱気です。
 これは、中国だけでなく、
東南アジア諸国やオーストラリアまで、同じように感じています。
 何も感じていないのは、日本の政治家と日本人だけでしょう。
いまだに日本人の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
 平和ボケも、ここまで行くと、
慢性病というか、持病に近いものがあります。
 確かに、日本は、島国なので、
外国から攻められないという安心感があります。
 しかし、たとえ国土を守れたとしても、
資源がない日本が、シーレーン(海上交通路)を守れなかったら、
それで終わりです。
 今まで、日本のシーレーンは、
アメリカが、「無料で」「ついでに」守ってきました。
 しかし、今のアメリカは、財政的に、そういう余裕はないでしょう。
さらに、アメリカは、国内問題に夢中で、外国には関心が低いでしょう。
 東南アジア諸国としては、それならば、
今度は、日本が航行の自由を守ってほしいと思っているでしょうが、
日本の政治家と国民の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
これが、「東アジアの不幸」となるでしょう。






























































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